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2023年 年末までに確認したい所得税の優遇制度

■ 共済や保険の加入( 小規模企業共済制度・経営セーフティ共済)
 小規模企業共済とは、個人事業主や会社経営者が退職金の代わりに活用できる共済保険です。掛金は月額1,000円から7万円の範囲で自由に設定でき、全額が所得控除の対象となります。

 もし、所得税率が45%を超えられている先生の場合、最大掛金(年額)84万円を掛けた場合には、84万円×45%=約38万円の所得税の節税効果(+住民税も)があります。また、小規模企業共済は掛金の前納制度を利用することもお勧めです。掛金を前納すると、前納減額金(割引による差額)として一定割合の現金がキャッシュバックされるため、掛金として支払う金額を少なくすることができます。ただし、所得控除できる金額も減る点には注意しましょう。

 医療法人化により医療法人(直接営利を目的としない法人)の役員等となった場合には「A共済事由」(個人事業の廃止など)に該当します。その場合、加入後6ヶ月未満での事由については「掛け捨て」となってしまいます。つまり、「半年以内に医療法人化を予定されている先生は、確実に掛捨てとなってしまう」ということです。くれぐれもご注意下さい。
 例えば、来年3月設立4月法人診療開始が予定されているけれど、今年の個人事業の所得がかなり出そう。12月に加入して1年分84万円(前納いれてプラスα?)を支払った場合…あっさり掛け捨てです。 なお、この「A共済事由」ですが、

の支払いとなります。
※ ご参考:共済掛金と共済金の金額について http://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/about/proceed/index.html

 「経営セーフティ共済」は、取引先の倒産で中小企業が連鎖倒産とならないよう、万が一に備える制度です。担保と保証人なしで掛金の10倍まで借り入れが可能で、解約時に解約手当金が受け取れます。月々の掛金は5千円~20万円まで自由に決められて、掛金は経費に計上できるためおすすめです。
 ただし、医療法人化により医療法人(直接営利を目的としない法人)の役員等となった場合には、同様に継続できない要件に該当しますのでご注意下さい。(掛金が経費となり、40ヶ月以上納付していれば掛金の全額が戻ってきます。ただし、解約して受け取った共済金は収入になるため、解約のタイミングを見定める必要があります。

■ iDeCo を利用する
 iDeCo(個人型確定拠出年金)は、老後の資産形成を目的としてお金を積み立てる私的年金制度です。積立金が所得控除の対象になり、所得税や住民税が軽減されます。通常、金融商品を運用すると、運用益に課税されますが(源泉分離課税20.315%)、「iDeCo」なら非課税で再投資されます。「iDeCo」は年金か一時金で、受取方法を選択することができます(金融機関によっては、年金と一時金を併用することもできます)。 年金として受け取る場合は「公的年金等控除」、一時金の場合は「退職所得控除」の対象となります。

 受け取り方によって控除の金額は異なりますが、いずれの方法を選択しても一定額までは非課税です。さらに、利息や運用益にかかる税金も非課税となっているため、資産形成をしながら節税を目指す方に適しています。

■ ふるさと納税を行う
 ふるさと納税は、自身が応援したいと思った自治体に寄附をする制度のことです。ふるさと納税をすると、2,000円の自己負担金を差し引いた金額のうち上限額までが、所得税の所得控除や住民税の税額控除に適用されます。ふるさと納税は、任意で地方自治体に寄附する制度であるため、実際に納める金額を減らす「節税」や「免税」を目指すものではありません。しかし、寄附金の金額に応じて自治体から返礼品をもらえるという利点があります。

 ただし、ふるさと納税の謝礼として供与された返礼品に係る経済的利益は一時所得に該当します。一時所得の総収入金額の収入すべき時期は、その支払を受けた日によるのが原則です(所得税基本通達36-13)。したがって、個人が返礼品を実際に受け取った年分の一時所得として収入を計上することになります。
 一時所得の特別控除額は最高50万円とされていますので、その年中の他の一時所得も含めた一時所得の金額(総収入金額―収入を得るために支出した金額)が50万円を超えない場合、課税関係は生じませんが、超える場合には確定申告が必要になりますのでご注意下さい。

 

 

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