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歯科医院における法人成りに際しての施設基準

 保険診療歯科医院には、診療報酬請求いわゆる「レセプト請求」において守らなくてはならない様々なルールが存在します。そのルールのひとつに、歯科医院開設後に開設者が厚生局に任意に提出する施設基準の届出があります。個人医院から医療法人成りをした場合のルールと注意点について解説します。

■ 知らないでは済まされない施設基準の遡及申請
 医療法人成りの手続きを行う中で、厚生局の届出・申請スケジュールに沿って無事「遡求での開設」許可が下りると、施設基準の遡求申請が出来ます。 「施設基準等の届出にかかる算定開始日の遡求について」という書類と、それぞれの必要な施設基準の遡求願いを添付し、保険医療機関の開設日からの施設基準の算定のお願いをします。

 施設基準の遡求申請の提出期限は開設日と同月内であれば受理されますが、審査の時間を考慮すると実際には医療法人の保険医療機関として開設届と同時に申請するか、2週間以内が理想です。 該当するすべての施設基準の遡及申請を提出します。 施設における現状の設備等、および過去1年間または1ヶ月の治療実績は引き継いで遡求申請が出来ますが、管理者(歯科医師)に係る安全管理の講習修了証添付や、法人として医科の保険医療機関との連携し直し(連携承諾書の提出)が必要です。 これらの要件を満たしてないと該当する施設基準の遡求になりません。 すべての要件を満たしてから、改めて施設基準申請を出すことになります。 したがって、その場合は加算点数を算定することが出来ません。 開設日の翌月以降に申請しても遡求扱いにならずに、新規扱いの申請をすることになりますので注意が必要です。 施設基準の中には1年間、もしくは1ヵ月の実績が必要なものもあります。

 「施設基準」のうち設備以外の要件が定められているものは次のようになります。

 施設基準の申請には様々な要件が存在し、申請期日も決まっています。 管轄の地方厚生局ごとに随時そのスケジュールが公開されていますので、開設の遡求申請時に相談した方がよいでしょう。 全国の歯科医院は上記の要件を満たして施設基準の認可がされています。 その上で初めて基本、特掲診療料において点数算定や加算できることになっています。

万一施設基準の申請が取り下げられる場合は、何らかの要件を満たしていないということになります。 誤って遡求扱いが非認可の状態で保険診療の点数算定や加算を続けると遡って返還義務が発生します。 また一年かけて実績作りやその他の要件をクリアしなければならず、中々手間のかかる大変な事務作業ですから、しっかり精査して準備する必要があります。

 今年度6月の保険改定では一部の施設基準(歯科外来診療環境体制加算、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所含む)の名称およびクリアすべき要件が緩和または変更になる予定です。 改めて申請する必要が発生するかもしれませんので、保険医療機関は改定内容に注視しなければなりません。

 

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