医業承継を考えるにあたり、最終的に「閉院」という選択を取られたお客様から手続きや費用などのお問い合わせをいただくことがあります。医院が廃業する際にかかる費用には、以下のようなものがあります。医療法人の場合には手続き等に時間もかかりますので、廃業手続きも計画をもって行う必要があります。医院の規模や立地、所有する医療機器や設備の状況、従業員の数などにより、これらの費用は大きく変動します。具体的な費用を把握するためには、専門のコンサルタントや弁護士、会計士などと相談することが重要です。
1.施設の解体や撤去費用(数百万~数千万円)
▶ 建物の取り壊しや内装の撤去費用 |
2.人件費(数百万)
▶ 従業員への退職金や解雇手当金 |
3.契約の解約費用(未払金の精算)
▶ リース契約の解約費用 |
4.在庫処分(廃棄)
▶ 医薬品や医療消耗品の処分または売却 |
5.法的手続き及び会計処理費用(数百万円~)
▶ 弁護士費用や行政手続きに伴う費用 |
6.患者記録(レセプト)の管理費用(保管場所費用)
▶ 患者の医療記録の保管および移管 |
医療法人の解散および清算の手続きは複雑で多岐にわたりますが、一般的な手順は以下の通りです。具体的な手続きは管轄の地方自治体や医療法人の定款によって異なるため、専門家(コンサルタントや弁護士、会計士)に相談することがよいでしょう。
1.解散の決定(1~2カ月) 理事会および社員総会での決議に数週間から1 ヶ月程度かかることが多いです。 解散届の準備と提出にも数週間かかります。2.債権者への催告と公告(2 ヶ月以上) 法律に基づき、債権者に対する催告と公告の期間は最低2 ヶ月必要です。 この期間は債権者が債権を申し出るのを待つ期間です。 3. 財産の整理(3~6 ヶ月以上) 4. 最終清算報告の承認(1~2 ヶ月) 5.清算結了の届出と法人登記簿の閉鎖(1~2 ヶ月) |
全体として、医療法人の解散および清算手続きは、都道府県の申請時期等にもよりますが通常6 ヶ月から1年程度かかることが一般的です。しかし、個々のケースによってはさらに時間がかかることもあります。 各都道府県に事前相談の必要があります。