新着情報
閉院の際の労務の手続き
閉院の際には労務上でも手続きが必要となります。それぞれの役所にはどのような書類を提出する必要があるのでしょうか。以下で詳しくみていきます。
■1 労働保険
①労働保険関係
▶ 提出書類 …「労働保険確定保険料申告書(納付書)」
▶ 提出期日 … 閉院日から50日以内
▶ 提出先 … クリニックを管轄する労働基準監督署
②雇用保険関係
▶ 提出書類 …「 雇用保険適用事業所廃止届」
▶ 提出期日 … 閉院日の翌日から10日以内
▶ 提出先 … クリニックを管轄するハローワーク
▶ 添付書類 … 閉鎖謄本など閉院の事実が確認できる書類
確定保険料の申告は、通常、毎年6月から7月に行いますが、閉院時には閉院後すぐに行うことになりますので注意が必要です。概算保険料が確定保険料よりも多い場合、その差額は還付されます。
また、「雇用保険適用事業所廃止届」の提出にあたり、「雇用保険被保険者資格喪失届」及び「雇用保険被保険者離職証明書」を同時に作成し、提出してください。雇用保険上、クリニックの被保険者はゼロにする必要があるためです。
■2 医師国保(※東京都医師国民健康保険組合で、院長も引退する場合)
▶ 提出書類 …「 資格喪失届」(院長・職員)
▶ 提出期日 … 閉院日から14日以内
▶ 提出先 … 東京都医師国民健康保険組合
▶ 添付書類 … 厚生年金保険資格喪失確認通知書の写し(厚生年金保険に加入していない場合は雇用保険被保険者資格喪失確認通知書(事業主通知用)の写し)
※第1種組合員(院長)に係る資格喪失届の提出をもって医師国保は廃止
※医師国保ごとに手続きが異なりますのでご注意下さい
■3 社会保険(健康保険・介護保険・厚生年金保険)
▶ 提出書類 …「 健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届」
▶ 提出期日 … 閉院日の翌日から5日以内
▶ 提出先 … クリニックを管轄する年金事務所
▶ 添付書類 … 閉鎖謄本又は雇用保険適用事業所廃止届(事業主控)の写し
「健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届」の提出にあたり、「健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届」を同時に作成し、提出してください。社会保険上、クリニックの被保険者はゼロにする必要があるためです。
■ おわりに
閉院時にはやらなければならないことが多く、なかなか労務まで手が回らないかもしれません。しかし、手続きがなされないと職員は失業保険金の申込みができないなど不利益を被ってしまいます。今まで勤務してくれた職員たちに報いるためにも、上記の手続きは迅速に行う必要があります。