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ふるさと診療

シリーズ『保健医療計画をみる』【第5回】鳥取編 医療従事者

税理士・土居秀行のシリーズ『保健医療計画をみる』 
 本シリーズは全国都道府県の医療計画をわかりやすく紐解き、医療業界経験の長い税理士の視点でお伝えいたします。

 「二十世紀梨」、「松葉ガニ」、「鳥取砂丘」、「大山」。1年中楽しめる鳥取県。今回は医療従事者を取り上げてみたいと思う。

 鳥取県で医療に従事される方は全国平均と比べると上位に位置する。人口10万人に対する数値を見ていくと、医師298.1人(全国は240.1人)、看護師1,282,1人(963.8人)、准看護師393.4人(240.8人)、助産師42.7人(29.2人)、保健師59.3人(41.9人)、薬剤師214.3人(246.2人)、薬剤師については、薬局130.4人(142.7人)病院・診療所51.1人(47.4人)とほとんどで全国平均より多いのである。

 しかし、必要な人員がこれで確保されているかというとそうではなく、不足しているというのだから全国的に医療従事者の人材不足が慢性化しているようである。また、従事者が十分に確保されていてもその人材が効率的に配置されていないのであれば十分ではなく、不足しているという状態にならざるを得ないというものだ。机上の空論を言わせていただけるのなら、医療資源を集中させることによって、最小の人員で、最大の効果を生み出すことができる。しかし、現実は患者が各地に点在していることによって病院や診療所の医療供給体制も各地に点在せざるを得なくなるのである。

 医療従事者には上記の職種の他にも、食事の管理、栄養指導を行う「栄養士」、放射線や磁気装置を用いた検査や治療を行う「診療放射線技師」、臨床検査を行う「臨床検査技師」、生命維持管理装置の操作及び保守点検を行う「臨床工学士」、精神障害者の抱える生活問題や社会参加の支援を行う「精神保健福祉士」、患者が地域や家庭において自立した生活を送ることができるよう、患者や家庭の抱える問題の解決・調整を支援する「医療ソーシャルワーカー」、その他に医師や看護師の負担軽減のために「医療クラーク」「看護補助者」などがおられる。

 各職種がそれぞれの高い専門性を十分に発揮するための勤務環境の改善、タスク・シフティング/タスク・シェアリング、チーム医療の推進がうまく進めば良いと思う。ところが、現実はそう甘くないのか。医療従事者の方が一生懸命努力されているにもかかわらず、鳥取県の働き盛りの方の(40歳~49歳)の死因順位の第2位が「自殺」とは。命を大事に。

出典:鳥取県福祉保健部調べ(厚生労働省「人口動態調査」を編集)

 

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